NPO法人かものはしプロジェクト年次報告書/2023年

ご依頼内容

これまで写真を使用していた年に1回発行する年次報告書の表紙を、イラストにしてリニューアルしたいとのことでご依頼いただきました。

クライアント

認定特定NPO法人かものはしプロジェクト

期間

約1ヶ月半

完成

デザイン sai company 生駒浩平


表紙ラフ

最初の打ち合わせで、団体がこれまで行ってきたことやこれからのこと
大事にしている考え方など、いろんなことをお聞きした中からラフに落とし込んでいきました。

1、2枚目は「なんとかしたい」という想い(カードみたいなもの)を持っているというイメージ。
3枚目は前に進もうと動き出している様子の人。


表紙カラーラフ

「なんとかしたい」という想いを表すカードみたいなものを持っている人。
カードは光っているような表現を考えました。

最初は人種を特定していませんでしたが、これまで団体がサポートしてきたインドとカンボジアの人がいいという話が出たので変更しています。

適度にインド人とカンボジア人が感じられる程度の、描きすぎない軽めの描写にしています。

光がある方(明るい未来がある方)へ動き出している姿。光を感じるために、陰影が強めに入っています。


本描き

奥の人物の形や動きがわかりづらくならない位置に女性を配置しています。
色味調整をPhotoshopでおこない納品しています。


扉絵ラフ

  • これまでサポートをしてきた人々(インド人、カンボジア人)
  • これからサポートをしていく人々(日本人、子供)
  • なんとかしたいと考え動こうとしている人々

これらの人々が話している様子を描いてほしいというご要望でしたが
多人数を描き、かつ見やすくする絵にすることはとても難しく、どうしたらすっきり見えるかをたくさん考えました。(大人数の全身を描くのも大変なので)

最初は立ち話をしているイメージで。全身を描くとごちゃごちゃ感が増します。

人々がテーブルに座っているという状況だと、全身を描かず話し合いをしている様子も出せると思いつき、視点の違う2種類を作成しました。


扉絵カラーラフ

サポート対象の人々は実際に厳しい状況の中にいることを聞いていたので、ラフの段階では彩度を抑えた色、厳しめな表情、強い影になっています。


のちに、色は明るめ、表情はなごやかな感じでという修正が入りました。


本描き・完成

最終的に、明るい青の背景にし、白いTシャツの男性が手招きしている、男の子が赤ちゃんをあやしているという動きが追加されました。

絵が間延びする原因となる余白をなるべくなくすためと、人が重なって形がわかりづらくならないよう
人物配置は絶妙なバランスになっています。

ここでもしひとりの人の配置を修正したいとなると、バランスをとってすべての人を動かすことになるので
この時点での配置の修正はできません。(今回は修正はありませんでした。)

たくさんの色を使っているように見えますが、同じ色をバラバラに配置してカラフルに見えるようにしています。

また、これだけたくさんの人がいるとごちゃごちゃした見た目になるので
テーブルを真っ白にすることで、抜け感をつくりごちゃごちゃしずぎず見やすい絵になるようにしました。

また、人物とテーブルが分断されないようにするため、赤ちゃんの服を白にして、白いテーブルとの境目がない状態になっています。


挿絵ラフ・完成

コラムの挿絵を描きました。
日本人は実際にいるスタッフさんを描いています。

服の色とインド人の衣装のバージョン違いのラフを作成しました。

完成イラスト